薬局ではない、円山の赤ひげ

薬局ではない、円山の赤ひげ

2019.06.06 | ローカル酒場

こんな人に読んでもらいたい

円山で飲むと言う時に一度行ってみて頂きたいお店です。一人でも、グループでも。

ずっと通るたびに当たり前に目に入っていた、赤ひげという看板。
円山公園駅の交差点角で、それは風景の一部と化していました。

▲主に不動産のビック

意識を向けないまま、かれこれ15年以上は経ってる気がします。
そうか、居酒屋だったか!
急に興味が湧いたので、早速、行ってみることにしました。

お店はビルの地下にあります。
階段を降りる度に少しずつメニューなんかがあり、そそるような、入りにくいような。
扉の前まで来たら、すでに話し声が漏れ聞こえていました。
カウンターに常連がいる感。
大丈夫かしら。

▲ここを曲がれば赤ひげの本陣

扉を開くとカウンターにおじさんが3人見えます。
真ん中に少し隙間。
ここに入れられるのか…大丈夫か…
一瞬ひるむも、雨の中わざわざ出かけて階段を降りてきた私に引き返すという選択肢はありません。行くよ!

1人なんですが、と言うとやはりカウンターの真ん中に通されます。
感じのいい女性がホール担当。店主は寡黙に厨房を守る様子。

先客は2人組の男性と、1人でキープボトルを飲む重鎮感あるおじさま。
どちらもホールの女性と仲よさげなので常連のようです。
はい、異物混入しまーす。

円山の地で店を構えて27年ほどになるという赤ひげ。
昭和の空気がぷんぷんします。流れる音楽も昭和歌謡。
店内は手前に6〜7席イスがぎゅうぎゅうに並んだカウンター(実質4人でちょうどいいくらい)、奥に小上がり。
そんなに広くないのだけれど、とにかくメニューが多い。
裏表にびっしりのフードメニューに加え、壁にもびっしりオススメメニュー。

▲刺身にしかピントあってなくてすいません

優柔不断の私の目が泳ぎます。
すぐ出そうな野菜系と、お肉を何か食べよう。
メニューが多いのでパニクるが、炭火焼きの店です。魚も豊富。刺身も焼きもいろいろ。
目に留まったのは生ラムのたたき。半なまの肉、食べたいなぁ。
馬刺しと迷ったけど、ラムメニューが豊富なのでラムで行こう。生ラムのたたき、お願いします!

「40分ほどお時間かかりますがよろしいですか?」

まさか。
1人飲みでそんなにおつまみ待てますか。
帰りたくなったら困るので、諦めて、生ラム串に変更。
聞くと、炙ってから冷ますからだそう。オーダー入ってから炙るのか…美味しそうだな…。

もし40分いられそうな店とわかったら、次回に食べよう。
半身焼きなどが美味しいというレビューを見たけれど、一人で半身焼きもちょっと不安だった。
手堅く串焼きと、野菜として今日のオススメの水ナスのサラダを注文。

今日は生ビールから。ドリンクメニューは焼酎が豊富。
日本酒もその時のものが少しあるようです。お通しは筍の土佐煮。三つ葉の芯が効いてます。

ほどなくやってきた、水ナスのサラダが思いのほか昭和感を漂わせていました。
いや、嫌いじゃないよ。1人にはちょっと皿が大きかっただけよ。
水ナスって、その名の通り、瑞々しくておいしいよね。
ドレッシングがなくてもおいしいけれど、この塩気でビールも進むというものです。

生ラム串は火が通りきる手前の絶妙な焼加減。
柔らかく美味。色は濃いがあっさりとしたタレも好み。薬味が山わさびなのも良いです。
これは生ラムのたたきも食べてみたいなー!

のんびりと飲んでいると、お隣の重鎮にタバコを吸って良いかと声をかけられました。
灰皿が置いてあるお店ですから、もちろんどうぞと答えます。
そして、串を焼き始めるからか、タバコを吸い始めるからか、換気扇のスイッチを入れる店主。
なんだかそこはかとなくいい、赤ひげ。
もう1杯飲んで行こうと、ハイボール。

隣の重鎮との会話もなんとなく始まりました。
ただ者ではないオーラがむんむんな上に、趣味でメキシコに行くためにスペイン語を習い始めたばかりだそうで、ちょいちょい飛び出す未知の言葉。ミステリアス。
しかし、地位や趣味趣向、何も関係なく、気が合えば仲良く話せるのが酒場。話はなかなか盛り上がりました。

持ち込みだという立派な紋章のついたグラスで何やらキープされたボトルのお酒を飲んでいましたが、よく見たらテキーラでした。
メキシコ好きは飲むお酒もテキーラ。すごいね。メニューにはありませんよ。

珍しく落ち込んでいて、軽い気分転換に赤ひげに来た私と、ミステリアスなテキーラおじ様。
ポテンシャルの差をまざまざと見せつけられました。
あと、何かすごく刺さる事を言いました。
「この言葉を聞くために、私は今日ここに来たのだな。」そんな瞬間がありました。
なんて言ってたかを、忘れてしまいました。
私の落ち込みなんて、ちょっと寝転がった程度のものだということでしょう。

終いにはテキーラのお裾分けをもらい、ちびちびと噛み締めました。
そんなテキーラと、追加したしめ鯖を食べました。
脂の乗りも酢の具合もちょうど良く、とても美味しかったです。
しかし、すっかり撮影どころではなくなってしまい、お見せできずに悔しいです。

こんな夜もいいものです。
テキーラおじ様の夜はまだ長そうだったので先に失礼しました。
軽く一杯のつもりが、気付けば2時間半。ラムのたたき、余裕で食べれたわ。

テキーラも回り、一軒で終了。
また来たいよ、円山の赤ひげ。

#西18丁目・円山 

赤ひげ
営業時間:17:30~23:00(L.O.22:30)
定休日:日曜日
TEL:0066-9712-394315
住所:北海道札幌市中央区大通西25-1-1 ワールドビル B1F
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きんちゃん
きんちゃん
編集担当きんちゃん。年々酒が体に入っていかなくなって来たが、酒場の雰囲気とつまみが大好き。