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噛みしめたら旨味が溢れるものばかり
2020.07.24 | ローカル酒場4連休、いかがお過ごしでしょうか。
自粛する人もいれば、旅行へGoToする人もいて、それは要するにいつもの連休ではないだろうか。
もともとオリンピックがある前提で設けられた連休だと言うし、あまり実感のないまま突入してしまいました。
フリーランスというカテゴリに属しているため、もともとあまり関係ありません。
とはいえどちらかと言うと自粛派です。
いや、ただのインドア派です。
そんなわけで遠出もしないし、ちょっと贅沢に蕎麦屋飲みでもしようじゃないか。
めちゃくちゃ近くにある蕎麦屋で。
先日ふらっと訪れた肉どうふとお酒のお店で一人飲みに勧められた、ド近所の蕎麦屋。
昼時には何度か訪れてましたが、飲みに行くのはお初です。
西18丁目駅1番出口から5分くらいですかね、うちからは1分。
今日は蕎麦心空にお邪魔します。
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開放的なお店なので目があったらどうしようとだいぶ手前で撮影。
外観を撮る時が一番人見知りをしています。
柱に四角い明かりが見えると思いますが、それに店名が書いてあります。光で飛びました。
マンションの一階にある小さなお店です。
時間は20時。
晩ご飯の時間をちょっと外してみました。
先客はテーブル席に熟年男女2組と、カウンターにお一人様男性。
ここは円山のちょっと豊かそうな熟年男女がしっぽりそばを食べているという印象です。
お一人様男性は一人飲みかと思ったら蕎麦を食べに来た店主のお友達のようです。
いろいろ悩んだ末、ハイボールにする。
自家製豆腐を頼もうとしたが品切れで、とっさに豆腐のあげ焼きハーフをお願いした。
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薄張りグラス。
なぜだろうか、何割か増しで美味く感じる。
慎重に扱わねば、という緊張感のためではないかと思う。
おつまみメニューは多くなく少なくなく、定番のみで、季節ごとのメニューはお蕎麦だけのようです。
今日はすだちそばと牡蠣そば。
どっちも魅力的。
締めはそばをいただきたいと思っているけれど、私はまだハイボールを飲んでいるだけなので、先の事はわからない。
なかなかやって来こない豆腐あげ焼き。
よく考えてみたら、私の想像している豆腐あげ焼きと頼んだものは同じだろうか。
「豆腐」「あげ」「焼き」この3つの単語、どこで区切るんだろう。
「豆腐あげ」を「焼く」だけではないのか。
「豆腐」を「あげ(揚げ)」、そのあとさらに「焼く」から時間がかかるのか。
さっきまで油で何かを揚げる音が激しく聞こえていた。豆腐スタートか!
沖漬けとかにしとけばよかったか。
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満を辞してやってきた豆腐あげ焼き。
見た目は想像通り。しかし想像の上を行く味。やいや美味しいよ。さすが豆腐スタート(予想)。
中は大豆感がある豆腐の食感が残っており、外はカリカリでサクサクで、今までで一番とか言いそうになる美味しさ。
頭の中でうまいうまい言いながら頬張っていたら、店主がラストオーダーを聞いて回っているではいか。
時計を見ると21時。
おっふ。
1品目に時間を食い過ぎたのか、ラストオーダーが早いのか。
慌てて、鴨の合い焼きと牡蠣蕎麦を頼む。
イカした大人は一気に頼まず、酒のペースに合わせてつまみをちょこちょこ頼むじゃないか。
蕎麦屋でそれがやりたかったのに。
わたわたと締めまでいっぺんにオーダーする形に。
まぁいいか。
人それぞれだよ。
今はコロナの事もあって1時間早く聞いてるそう。
通常は22時だそうです。
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揚げ豆腐に比べ、鴨肉はすぐ来ました。
お酒はまだ頼めますか?とおそるおそる聞き、OKだったので日本酒を希望する。
蕎麦屋といえば日本酒だよね!
奥にある冷蔵ケースに4〜5本の日本酒が置いてあり、自分で見に行って選びました。
ちょっと結露で曇っていてよく見えませんでした。
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夏ノ生酒という字が見えたのでそれにしました。
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会津龍が沢 純米大吟醸(福島)
夏というのできりっと爽やかなものを想像していましたが、まろやかな感じがしました。
カラ酒を結構飲み、すでにふわふわしていて美味しいということしか思い出せません。
いい、いい。鴨と合うと感じたからそれでいい。
鴨が美味いよ。
鴨がもともと好物なので蕎麦屋では鴨南蛮そばを頼むことが多いのですが、単体で焼いて食べるとまた格別。
肉感が存分に味わえますね。
脂が甘くジューシーで、肉はキメが細かくしっとりで、赤身の特有のクセというか、風味がたまりません。
噛みきれなかったので一切れをぱくっと頬張ってしばらく黙って咀嚼。
どこまででも旨味が溢れる。
私の血となり肉となってくれることに感謝します。
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お前の分も元気に生きていくよ!!任せておけ!
鴨のおだんごに威勢よく脳内で語りかけてみました。
程なく、お客さんがみんな帰りました。
私は咀嚼が長く、そのため食べるのが遅い。
この鴨はもうこのまま口の中で消化の工程も行いたいくらいに放したくありません。
行かないで、喉の向こうに行かないで。
鴨と口の中でいちゃついていたら、店主にそばはもう用意していいですか?と尋ねられます。
すいません、(鴨との逢引を楽しんでいるので)もう少し待ってください。
とり焼きと迷ったけど奮発して鴨にしてよかった〜
最後の一切れもきちんと跡形も口からなくなるまで楽しみ尽くし、それからそばをお願いした。
おそばはすぐ茹で上がるし、すぐのびるからね、準備できてからね。
締めのそばを待つ間に、松任谷由美の飛行機雲がかかる。
知らない女性がカバーしたやつ。
沁みる歌だよ。
泣きながらそばすすることになるかもしれないよ。
案外ゆっくり出てきたので終わりました。
次はまた知らない女性がカバーした真心ブラザーズのサマーヌードでした。
夏のカバー特集か。
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牡蠣蕎麦。
冷と温があり、冷やしはつけ汁だと聞いて、冷やしにしました。
冷たく締まったそばを熱々のつけ汁にサッとつけてぬるく食べる蕎麦が好き。
実家が蕎麦屋だったのですが、蕎麦の味は正直よくわかりません。
ただただ美味しいです。手打ちの蕎麦だなと感じるものでした。
牡蠣は火が入っているのに大きくぷるぷるです。
立派なものではないでしょうか。
磯の香りが広がって、これもまたたまらん。
今日は鴨やら牡蠣やら、噛みしめたら旨味が溢れるもんばかり食べてるな。無礼講だな。
最後の1個となった牡蠣をじっと見つめ、心のカメラで記念撮影した。そして噛み締めた。
ありがとう、お前の分も生きるからな。
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蕎麦湯を牡蠣のだしの出たつゆに足し、最後の一服を楽しむ。
お互いに落ち着いたタイミングだったので店主との会話も楽しむことができました。
千葉出身で東京でそばの修行をしたので江戸前なのだそう。
旅行によく来ていて北海道が気に入り、札幌に移ってからは個性的な店主がいた円山の蕎麦屋で働いて、それから独立された。
札幌っ子としては、土地柄が気に入って移住してきたと聞くと嬉しいものですね。
そばがきも食べたかったし、甘味も食べたかった。
そして何より、帰ってからFacebookを見て愕然。季節もののおつまみとかかき揚げとかのメニューが書いてありました。オーマイガー!
店の品書きには書いてありません。Facebookを見てから行くことを強くオススメします。
ワンオペで丁寧に作ってくれるので待つこともあるでしょうが、ゆっくり飲みたい時にオススメしたい蕎麦屋さんです。
このあたりにはぽつぽつと焼肉屋とか焼き鳥屋とか小料理屋とかワインバーなどがあるので、界隈ではしご酒も可能ですよ。
私はもうふらふらなので直帰です。
酒場放浪記の類さんと正反対。