ふらっと一人で行けるのは類さんぐらい。
2018.06.05 | ちょいとディープ先日、名古屋から遊びに来た友人を囲む女子会がありました。
その彼女は仕事のデキる女。
「ここに行きたいから予約します」と、遊びに来る本人が店を指定し、予約を済ます。
なんでも、吉田類の酒場放浪記で見たことがあり、絶対に行ってみたいと思っていたらしい。
店に向かってすすきのを歩いていると、違う女子から「近くにいるけど見つからない!」と連絡が来る。
今行くから待ってて!と頼もしそうなことを言いながら、サラッと目的の店の前を通り過ぎて、二人で店がない!としばし付近でワタワタする。女子会あるある。
本日のお店はすすきのにあります、『酒庵 五醍』。
五がさ、すぐ五って読めなくてさ。
外観からもにじみ出る老舗の風格。ここで本当に女子会があるのか。
中に入ると、薄暗く趣のある店内の中央に炉端があり、それを囲むようにコの字にカウンターがありました。すごく渋く、すごく素敵。
が、今回は5人チームなので2階にある個室に通されました。
しっぽり飲んでいるカウンターのスーツのおじさま方のすぐ横で、騒がしい会を催すのは忍びない。
炉端の雰囲気はおあずけ。
さてと、何を飲もうかとメニューを開くと。
あれま、値段を書いていらっしゃらないわ
すべて時価のお店でした。
なかなかのお店をチョイスしたな、友よ。
しかし美味しそうだ。
字の美しさのせいか、時価だからか、とにかく美味しい魚を食べさせてくれる感じがする。
何を選べばいいかがよくわからないながら、魚や野菜を頼んでみる。
何このサイズ!?と道産子も思わずうなる。大きくて肉厚のつぼだい登場。
野菜もたまらない。
絶妙な塩加減でジューシーなしいたけ。
そしてししとう。ししとうが大変だった。
私の食べたししとうだけ、唐辛子並みの辛さだった。
ねぇ、ししとうって苦いだけじゃなかったのね。
辛いの苦手な私の舌は不意のロシアンししとうに負け、バカになる。
「つぼだいの味がわからないよ・・・!」
ガフガフとビールが進み、早々にみんなで日本酒に突入する。
そして、アテに塩からときりこみを頼む。
しみったれた、しかし最高の女子会である。
きりこみが最高に美味しかったので、特にきりこみにピントをあわせてみました。
ところできりこみって何だか知ってますか。
にしんや鮭などの生魚を包丁で切り刻んで発酵させた北海道・東北地方に伝わる郷土料理です。
私の知ってるきりこみは小骨も多いし、クセが強くて、あまり好きではなかったのですが。
こちらのきりこみは骨などなく、にしんと、数の子も入っていて、大根おろしと一緒に食べるので、塩辛さもほどほど、そして旨みがすごい。
今まで食べたきりこみは何だったんだ。明日から大好物だわ。
あまりに美味しくて、3回おかわり。
日本酒は国稀の一択で、潔いと思っていたら、五醍のラベル。なるほど。
ビンはサイズが選べて、5人で飲むのでひとまず720ml。飲みやすくて、どんどん進む。
結局どれを食べても美味しくて、ほっけも焼いてもらい、日本酒も2本空け、シメにそれぞれお茶漬けや焼きおにぎりといった米も食す。
気の大きくなった我々は後半まったく「時価である」ことを忘れ去っていた。
でもお会計で一気に酔いが冷めるということはありませんでした。ホッ。
最後の最後までつぼだいに執着し、身をほぐしまくっている様子を友人に盗撮されていた。
根こそぎほぐしたつぼだいはみんなで美味しくいただきました。
ちょっと大人の階段登っちゃった特別な夜。
私にはここでの一人飲みはまだ早い。
猛者がいれば、ぜひふらっと炉端を囲むカウンターへ。
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酒庵 五醍 (しゅあん ごだい)
北海道札幌市中央区南7条西4丁目
TEL 011-531-8080
営業時間 17:00~23:00
定休日 日曜日
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